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『風邪』についての基礎知識|陰病と陽病

2023年も11月を迎えました。
猛暑続きだったのがウソのように温暖で過ごしやすい日々に変わりましたが巷では

『風邪』

が早くも流行していると言われています。

すでにかかっているという方もおられると思いますが今回は風邪について、正しく理解していただくために一緒に勉強していきたいと思います。

ここ数年、風邪騒動が勃発し、風邪に対して、超敏感になっている方も多いと思います。
出勤や登校に影響が出るのでどうしても仕方のないところですね。
でも、風邪は誰でも引くものなんですね。私も1年に1~2回は風邪を引きます。


ただし、大切なのは『すぐに治るか?どうか?』という点なんですね。
近年、風邪の後に様々なご症状を引きずって、長引いたり、再発するなんて言うご相談が後を絶ちません。

何が原因なのかも含めて、その対策まで掘り下げて、探ってみたいと思います。

もくじ

風邪は東洋医学では『陽病』に属します。|陰病と陽病について。

東洋医学では病気や痛みなどの体に表れる症状を『陰と陽』に分類することが治療を施すための基本の入り口になります。

例えば、『足首の痛み』というお悩みがあったとします。足首が痛むと言っても色々な原因がありますよね。
いくつか、挙げてみると捻挫、打撲などによる足首の痛みはわかりやすいですが高齢者の方によくみられるむくみが高じて、足首が痛くなるというものもあります。更には原因がよくわからないというものもあります。

これを陰陽分類してみると

捻挫や打撲は陽病、むくみや原因不明による痛みは陰病ということになります。
病をつけると大げさに感じるかもしれませんので取ってもらっても大丈夫です。w

簡単に言うと『原因がはっきりしているものを陽病、原因がよくわからないものを陰病』と区別しているわけです。

そこで本題の風邪に焦点を当てると

風邪の原因って、だいたいはっきりしていることが多いと思います。
『家族や職場で風邪を引いている人がいて、風邪をもらった。』
『学校で風邪が流行っている。』
など、概ね感染経路は予想が付きます。

また、『●月◎日の朝から喉が痛む』などの発症日時も概ね、わかると思います。

更に、風邪を引いた時の症状の経緯を思い出してみましょう。

『喉が痛む⇒発熱⇒咳やくしゃみ⇒痰や鼻水が出る⇒時に下痢』
など、発症後に病状が進むと排泄が起こります。

排泄は排毒とも呼ばれ、体の中に溜まった老廃物や水分、毒素を体の外に追い出す状態です。

もうお分かりと思いますが陽病は

『体を整えるために発症する病』

とも言えるのです。

この流れを東洋医学では『母子関係』とも呼ばれ、子供が危険なことをした時に親が子供を叱る行為になぞって、体が危険な状態(陰病)を避けるためにあえて、陽病にかかると説かれています。

陰病は体が壊れたり、命の危険が迫る病に侵される状態でガンや膠原病(リウマチなど)、糖尿病などの原因が特定できない病を指します。

『陰病にかからないために陽病にかかっておく』
ということなのです。

でも、熱や咳が続くことは恐いですし、苦しいので嫌ですよね。w
そこで早く、立ち直るためにはどのように対処するのかについて、考えてみましょう。

風邪を引いた時の対処方法

陽病から早く立ち直るために何が必要なのか?常にこの状態を構築していれば、体を破壊していく陰病も避けられるのでとても重要です。

わかりやすいところでは『体温と血圧が低い方』は風邪を引いたら少し、長引く傾向があります。一般的には体温高め、血圧高めは✖とされていますが実際に免疫力が高い方の多くは体温や血圧が高い方が多いのが事実です。

それをあえて、下げるようにお薬や習慣作りをさせる教育がなされているので仕方がないのですが免疫機能と最も関係が深い『腸内温度と心肺機能が高い方』は体温も血圧も高くなるのが普通なのです。

この話は長くなるのでここで終了しておきます。w

そうしたことも踏まえて、ウイルスや菌が体内に侵入した時にどんな対策が必要なのかを考えてみると

ウイルスや菌が死滅する温度まですぐに体温が上昇することですべては解決できます。その温度はウイルスや菌によって、異なりますが概ね、38.5℃から40度までが一般的です。

体は我々が思っているよりも高性能で侵入したウイルスや菌が何度で死滅するかを瞬時に割り出し、体温を上昇させるのです。さらにその熱を体の隅々に送るために血圧を上昇させて、血流を確保します。

この体がウイルスや菌と戦う状況を少し、見届けるつもりで体を休めていれば、いいわけです。慌てないで少し、見守ることが大切なのです。

その後に訪れる排泄・排毒作用の状態が表れれば、デトックスは完了です。そこではじめて、ここ数年、よく耳にする『抗原抗体』が身につくことになるのです。

風邪の症状が表れたら少し待つくらいの心構えが大切ということです。

ただし、この作用は最終・緊急時の免疫作用であり、その前に『皮膚や粘膜組織によって、外敵の侵入を防ぐ』ことを常に行っています。最後に日常の免疫作用について、考えておきましょう。

どうしても風邪を引きたくない方へ

免疫機能というと体の中に菌やウイルスが侵入してからそれを駆除するために免疫細胞などが活躍することを想像する方が多いと思います。

でも、侵入されないようにする方が無駄なエネルギーを使うことなく、体を守ることができます。


スポーツで言うと野球ならヒットやホームランを打たれないようにする。ボクシングならパンチが当たらないようにすれば、負けることはないのと同じです。

菌やウイルスに打ち勝つことを考えるよりも体に侵入されないようにしておく方が安心できますね。

では、どうすればそのような状態を作ることが出来るのでしょうか?

菌やウイルスは体の外からやってきます。人間の体の外側というと『皮膚』があります。更に少し、掘り下げると鼻や口、喉の皮膚の外には『粘膜』や『毛』があります。それがセンサーの役割をして、危険なものの侵入を防いでいます。

例えば、熱いものに触った時に『手を引っ込める』『毛が逆立つ』『毛穴を閉じる』などの反応が見られますがこれが免疫機能そのものなんですね。

ここで菌やウイルスの侵入を食い止めてしまえば、体の中で戦うことは必要なくなるわけです。

では、この皮膚や粘膜組織を強固にするためにはどうしたらいいのでしょうか?

東洋医学の大切な教えに『皮膚は腸の鏡』というものがあります。腸の状態は直接見えないので痛みや何らかのご症状から推測しないといけないですが皮膚の状態から推測することができるということです。

その教えから腸内環境が整っていれば、皮膚の状態が良好になり、先ほど、お伝えした免疫機能もスムーズに働くということにつながります。

では、続いて腸内環境はどのようにすれば整うのかについて、考えていきましょう。

腸内環境を整えるということを考える時に大切な視点は『腸内温度』に尽きます。腸内温度が高く保持されていれば、腸内細菌や腸内壁の代謝がスムーズの行われ、皮膚は良好な状態を保つことが出来ます。具体的な温度は38.5℃と言われていますが実際に測れないのでイメージをしていただければいいと思います。

腸内温度が高く保持されていれば、体の表面も温かくなり、冷えを感じることも少なくなります。更には温かい時には熱を逃がすために毛穴が開き、寒い時には毛穴が閉じるという体温調節もスムーズになります。

このように環境に応じて、体が順応する働きを恒常性機能と呼ばれますが生きていくためにとても重要な働きになり、これが免疫力そのものなんですね。

そこで腸内温度を保つために何をすればいいかということですがまずは避けていただきたいことですが

  1. 冷たいものばかり、飲んだり食べたりしない。
  2. 甘いもの(特に白砂糖)、お酒など(陰性食品といいます。)は控える。
  3. 毎日、お風呂につかる。(半身浴でも高温浴でも大丈夫です。)
  4. 小麦製品は控える。(グルテンによる影響)
  5. お腹を空かせる時間を作る。(腸内活動が活性します。)

などに注意しておけば、腸内環境がそう崩れることはありません。

次に東洋医学では『衛気(エキ)』と言われる皮膚表面をバリアーのような作用で守るために『食物繊維を摂る』ことが大切です。

最強の食物繊維は豆の皮などです。豆は言い換えると植物の種なんですがこれはどんな環境下でも生きることが出来る強い表皮です。これをいただくことで簡単に衛気をまとうことが出来ます。

手っ取り早いところでは『日々、少しでいいので豆を食べる。』『玄米を食べる。』『野菜や果物を皮ごと食べる』などを実践していれば大丈夫なので簡単ですね。農薬等が気になる方はきちんと50度洗いする、もしくは無農薬・減農薬の野菜や果物を食べることで概ね、大丈夫です。

今回のお話は生きていく上でとても重要な内容です。少々長くなりましたがお一人でも多くの方に届くと幸いに思います。

では、今回は以上になります。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

okadaのアバター okada 院長

大阪市生野区のJR東部市場前駅から徒歩4分のところにある『おかだ鍼灸整骨院の院長 岡田彰久』です。東洋医学の良さを皆さんに伝えるための勉強会である『今日から使える東洋医学』もよろしくお願いいたします。

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